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MORIYAマガジン

境界が溶け合うことで、新しい価値が生まれる。~複雑なものを複雑なまま捉える編~

花屋×カフェのように、様々な業種のコラボレーションが生まれ、〇〇屋さんという単一の職業だけが存在するという価値観は一昔前のものになりました。

様々な情報にアクセスできるようになり、流通の仕組みもコミュニケーションの形もダイレクトなものになることで、個人が独立してできる範囲が広がり、商売をする手法がクローズドなものからオープンなものに変わりつつあります。(ITによる業務効率化も含め)

タレントがテレビやラジオなどのマスメディアのものであったのが、SNSを含む様々なメディアで、〇〇バー、〇〇マーなど様々な職業が生まれ、サラリーマンは個人の力を活かして副業をするようになり、お花屋さんでさえも【花屋】という言葉一つで括りることができなくなりました。

自分の職業を一言で説明することができない。という方は、クリエイターが多く集まるnoteの住民には特に思い当たるのではないでしょうか。

これと、これと、これと、これと、さらにあれもやってます。のような。

そのようになってくると、自分の素性を一言で説明することが難しくなる上に、ひねり出した自分の職業をまとめた一言も、そもそも自分のことを十分に説明するための時間をとってもらうための掴みほどのものになってしまいます。

よく考えたら、そりゃぁ、そうですよね。

処理しきれないほどの情報が行き交い、お金の価値も信頼と比較すると相対的に低くなり、距離と自分の身体性の限界すら溶け合い、自由になろうとするのだから、その分、違う経験や道のりを辿ってきた人が増えることになる。

本質的な価値は変わっていないにしても、カテゴライズしようとすると、どこまでも細かくカテゴライズできるこの状況は、ビジネスの戦略を鑑みれば、やり方さえ知っていれば先行者優位を獲得することはできますが、自分の立ち位置や、業界の動向を捉え、自分だけの領域を広げていくための力を蓄えるには相応の経験と、情報を複雑なまま捉える思考が必要となります。

情報の整理と複雑なまま捉える思考
・フレームワーク
・複雑なまま捉える思考

フレームワークを利用すれば、思考を効率化させ、一つひとつのことを明確化させられるだけではなく、ある事柄について、他に人にも容易に伝えられるようになります。

様々なワークを利用して、情報を整理し、マッピングすることによって、ビジュアルで確認することもできます。

一人だけではなく、複数人で実施することもできるので、自分が想定していなかったような結果になったり、多くのことについて気づくこともあるかもしれません。

フレームワークを情報の整理として挙げましたが、複雑なまま捉える思考とは、整理された情報をそのプロセスやその他の情報と共に全体を俯瞰視して、そのまま感覚的に捉えることです。

自分の中で情報を咀嚼し、捉えられるようになると、整理された情報を自分の言葉で置き換えて考えられるようになります。

整理された、或いは、点々と存在している情報を、ルーレットダーツのように区分けをして、ルーレットを回す。ルーレットは回っている間は、それぞれの区分けが溶け合い全体が混ざったような色になりますよね。

その色をそのまま理解しようとする感覚に近いと思います。

その色は、それらの情報でしか発生しないただ一つの色だと言えるので、その色が何を表すのかを自分なりに咀嚼して、本質にあるものを導き出すことが、思考の旅の一つの着地点であり、出発点でもあると思うのです。

その色がどのような強さで、どのような配色、バランスであれば、自分は幸せでいられるのか、どのような色合いを表現していきたいのか。そのようなことを考え続け、常に修正していくことが生きることであり、自分を知ることでもあります。

ノウハウ本やハウツー本がたくさんある中で、そのノウハウやハウツーの情報がすぐに陳腐化していく理由は、複雑性の一部を捉え、その一部の中でしか通用しない情報が多いからです。

だからこそ、すぐに結論がわかる手法ではなく、自分のあり方を常に考えるという長い道のりが自分の生きていく先にあるのだと、自分自身で認識することが、これからの時代において新しい価値を生み出すための第一歩だと信じています。